研究テーマ

01運動応答の解明と栄養・食品研究

運動は“Exercise is medicine”と言われるほど生命活動で欠かせない要素です。超高齢社会を迎えた我が国において健康寿命の延伸は最重要課題の一つであり、運動による筋肉の恒常性維持(筋量、筋力の維持)が着目されています。一方、老化や疾病状態では継続的な運動が困難です。私たちは、運動効果を産み出す生体内分子“運動スイッチ分子”を明らかにし、そのスイッチをONにする栄養・食品成分の発見を目指しています。本研究から、「食」による健康長寿への貢献が期待されます。

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02アンチエイジングに資する
栄養・食品成分に関する研究

加齢や老化に伴い、ヒトのエネルギー代謝や筋肉量が低下し要支援・要介護状態に繋がります。筋肉の恒常性維持の重要性は広く理解されていますが、その老化機構は未だ十分に理解されていません。私たちは、老化モデル動物や老化モデル骨格筋細胞を駆使して、この謎の解明に取り組んでいます。私たちは、老化を惹起する“老化スイッチ分子”を解明し、それを抑制する栄養食品成分の同定を目指しています。最近は、腸内細菌由来の機能性脂肪酸に着目した研究を展開しています。

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03大豆たんぱく質による
代謝改善効果に関する研究

大豆はたんぱく質を豊富に含み、様々な代謝改善効果を有することが知られています。私たちはこれまで、β-コングリシニンと呼ばれる大豆たんぱく質が抗肥満ホルモン分子FGF21の産生を劇的に増加させること、FGF21はβ-コングリシニンの代謝改善効果の主要分子であることを発見しました。現在は、β-コングリシニンの詳細な作用機序、FGF21以外のβ-コングリシニンの標的分子の解明を目指しています。

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04抗肥満ホルモンFGF21に関する研究

FGF21は肝臓で合成・分泌されるホルモン分子です。FGF21は、優れた代謝改善効果や寿命延伸効果を有することが報告されており、健康長寿の重要な因子として期待されます。私たちはこれまで、遺伝子発現制御の解析を通じて、FGF21を増加させる新たな食品・栄養因子の探索を進めています。また、FGF21の新たな機能解明を目的として骨格筋の研究も行っています。

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